骨の星

水族館に、きみの骨が飾られていた。
水の性質に、合わないのだ、角の、せまいところで、生かされつづけている。
魚の目より鋭い、いちばんちいさな、光は、まるで星のようで、美しい、と、いえばよかったが、のみこんでしまったほうが、神秘的な事実になった。
ぼくは、夢をみている。
いつか、砕かれてしまう、あの骨は、水に溶けるのではなく、水のなかで、砕かれていく。
とても、深い、生命だ、ゆれて。
水に、ちいさな光が、あらわれて、きえる。
きみの生が、ぼくを、かすめた。

骨の星

骨の星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-08-12

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