キラキラだね、綺麗

「なんだろうね?」
「なんだろね」
「昨日まで無かったよね?」
「無かったね」

「どうしたんだろうね?」
「ね」
「でもキラキラだね」
「綺麗だね」

「じゃ、入ろっか」
「うん、入ろ」
「ここは良いよね」
「快適だね」

「友達呼んで来ようか?」
「そうしよう」


出て行ったのを見て家の人は考え込んだ。
「全然効かないじゃないか」
そんな事を呟いていると、戻って来た。六羽に増えている。

これを吊るすと鳥避けになるって言われていたのに、これではまるで逆効果じゃないか。

「楽しいね」
なんて言いながら巣だったばかりの子ツバメ達はチュンチュラと家の中を飛び回り、糞などを落としてまた出て行き、そして帰ってきたりしながら賑やかだった。


鳥避けのキラキラ光る螺旋状の棒が二本、軒先でクルクルと回っている。


キラキラだね、綺麗

キラキラだね、綺麗

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-26

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