天日

 まとわりつくのが、星の体温。皮膚。きみの、滑らかな指の腹に、舌をはわせるときの、なんとなく、海水をおもわせる感じ。恋愛につながる、詩。だれかの。胸に響かないで、ただ、あしもとに落下して、砕け散る。生涯愛するひととして、そばにいてほしいという懇願は、けれども、あなたのエゴで、わたしの望まぬ未来で、きみがひとりぼっちになるのならば、わたしは、きっと、だれのことも愛さない。突き刺してくる、夏の太陽は、殺人的に、しかし、従順に、いきものを生かすのだ。光合成とか。
 やさしさに飢えていたから、きみに縋った。
 あなたはただ、わたしを、なにもない部屋で飼おうとしている。
 恋と、愛と、性と、生と、死が、すべて一直線になったとき、わたしたちは永遠となる。

天日

天日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-23

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