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 くるしいから、真夜中は、ずっとそばにいてほしい、きみが、流行りの曲を口遊みながら、プリンをたべてる。そこかしこで、みえないだれかが、わたしの悪口をささやきあっているのだといって、狂った友だちがいた。ひとは、けっこうかんたんにおかしくなるものだと、きみはにべもなくいうし、わたしは、生きているなかではそういうこともあるのだと、冷静に思ったりしている。ふるえる指で、スマートフォンの画面をタップして、わたし、というにんげんはちゃんと、この世界に存在していることを、みんな、証明したがってるのだと知って、ひとりでそれを愛しんでいるあいだに、星は、罪滅ぼしを強制してくるみたいに、すこしずつ壊れているらしい。破壊を、衝動的にしちゃうのだという、ナナ、というなまえの夜のバケモノがいて、わたしは、ナナが、いつも、なにかを破壊するたびに、笑いながら泣いているのが、好きだった。ごめんね、と謝りながら粉々にして、たのしそうなのにつらそうで、うれしそうなのにかなしそうなのだ。にんげんよりも、にんげんらしくて、でも、ナナは、にんげんではないし、バケモノであるし、雄でもあるけれど、そこはまぁ、どうでもよかった。
 思うに。
 相性がよければ、種族、なんてものは二の次でいいのではないだろうか。
 しかし、わたしの父も、母も、にんげんは、にんげんとしか子孫を残せないのだと言い切る。にんげん以外と、したことなどないくせに。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-30

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