落日
夜明けに潜むもの。地球の内側にある、肉とか。骨とか。血、のようなもの。いきものになぞらえて、想う行為。うるさいのはテレビで、きみの、心臓の鼓動だけはいつも、絶え間なく聴いていたい。どこか、架空の次元で、破滅的な恋をして、もう、だれも好きにならないと誓った日の、ぬるくなったカフェオレ。チョコチップクッキー。はじめてみる外国人選手のなまえを何度もつぶやいて、その語感になぜだか愉快なきもちになる。ハッピーのようで、どこか陰鬱な気分のときの、あの、曖昧な線の上をふらふらと歩いている感じ。偏愛主義の孤独。殻をかぶって、いつまでも安全圏でぬくぬくしている、ひよこみたいだと思う。つねに、どこかで、他者とつながっている円形劇場から、あしをふみはずせばもう、そこで、おしまいみたいな世の中だねとささやく。ネオンテトラ。
落日