けれど夜は明けるものだよ

 きれいなものだけを、心臓に焼きつける。夜明けにみる星が、はかないように、きみが、いつまでも、いとしいいきものであるように、つめたい空気を好む、肺が、濁りないままで、透明度。薄汚れた街のすみっこで、祈る、やさしいバケモノと、こども。わたしたち、という存在を、星がいつか、うとましく感じて、宇宙に放り投げてしまうかもしれない。重力とか、そういうのは星の自由で、どうとでもなって、にんげんは脆弱で、宇宙は果てしなくて、ときどき、宇宙で対応できるようにつくられなかった、このからだが歯痒くて、創造主は手抜きをしたんだと、ひそかに思っている。肉体。臓器。やわらかく、骨だって、宇宙空間ではひとたまりもないのだ。恋愛、なんてしているあいだにも、わたしたちは、星(もしくは、神さま)により分けられ、不要となれば、きっと、ぽいだ。すなわち、そういうことだ。

けれど夜は明けるものだよ

けれど夜は明けるものだよ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-04-14

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