色々

 緑色のアイスを買った。カップよりコーンの方が風情だなあと思ってコーンにアイスを乗せてもらった。海を見ながらぼーっとかじっていると形が崩れてくる。それは何だかと思って舐めて形を整える。かじって舐めては冷たさを身体に溶かしていく。緑色はどこかへ消えて無くなる。
 ピントが合った海は当たり前に青かった。夕日は雲を侵食して、日常の絶景をぽんっと広げていた。海から引き上げてくる人は焼けていた。僕はそのまんまだった。もしかしたら、明日には緑になっているかもだけど。
 コーンの端っこを飲み込んで車に戻る。それぞれの夏の日。徐々に溶けていく日。

色々

色々

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-04-12

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