旅情

段々畑が真っ赤に燃えて、
段々と日が暮れてゆく。

かつては畑に唄も聞いたが、
今では案山子もいはしない。

森は風に泣いているか?
烏は宿に帰ったか?

もしも私に耳があったら!

段々畑に日が暮れて、
烏は宿にも帰れない。

旅情

旅情

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-04-03

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