自選短歌 2021年2月

テーブルのこういう足を猫足と呼んでいますと猫に伝える

戯れて桔梗の色のランジェリー花は季節に気づかずに咲け

蟻の羽根散らばる床に朝陽射し僕もひとつのモザイクの欠片

キッチンで光り輝く蜂蜜を結局使い切れない未来

絶対もやがて壊れて星空は次の神話を語り始める

頸動脈頸静脈につながれてわたしの脳はひたすら思う

僕以外仮想現実だからかなおにぎりふたつひとりで食べる

まだここにいてほしかった猫はもうここにいなくてきっと会えない

自選短歌 2021年2月

自選短歌 2021年2月

2021年2月に「うたの日」で発表した短歌からの自選8首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-01

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