非日常5

何がなんだか分かりません。

妹が慌てて俺のもとに駆け寄って来たことがあった。
おっちょこちょいな妹だ。なのでいつもの妹だ。
どうしたのか尋ねると、ポストにモナカが入っていたらしい。
和菓子のモナカ?ポストに?ははーん。俺は気づいた。
ポストの中を見ると「あずきバー」が入っていた。
俺はすかさずポストの中の「あずきバー」を手に取ると、勢いよく頬張って前歯を折った。
その様子を玄関で見ていた妹が嬉しそうに出てきた。
「喪中→モナカ→モナカアイス→あずきバー。どう?ビックリしたっしょ?」
「!?」
何が?

また別の日、妹がひとりでリビングの中央に突っ立っていたことがあった。
彼女は天を仰ぎ、両手で宙を掻いていた。
帰宅直後に、その後ろ姿を目撃してしまった俺は、慌てて妹の正面に立った。
もし、妹がこの世の者でなければ思い切りその頬を張ってやるつもりだった。
妹は俺の気配に気づかず、ひたすらに頭の上の空気を掻き回していた。
なぜなら妹は目をつぶっていたからだ。つまりは視覚を封じていた。視覚を封じて、奇行に走るなどキ◯ガイのやることだ。
「夜寝室にはいるとね、電気のヒモが見えないでしょ??だから有事に備えてシミレーションしていたの。」
何が?


っていうか何が?

おしまい

非日常5

つづく

非日常5

シュール。何が?

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-11-23

Copyrighted
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