リューズ

目を覚ますたびに

まだ 夢をみているのではないかと思う

依然として 心臓が

時を刻んでいることを

何かの間違いのように

悪い夢のように思う

僕は たったひとりで

ひとりきりで

破滅することすら できないのだろうか

叶わないのだろうか

すべては

移ろいの果てに

ある一点に収束する

その流れから逃れる術はなく

予定された結末を

清書のように辿っていく

僕は 予定されていない存在だったのに

いつからこの流れに

巻き込まれることになったのだろう

どうしてこの計画に

加担しているのだろう

リューズを巻いているのは

なあ、きみなんだろう?

僕にはきみがみえるよ

僕にはきみがわかるよ

僕は

最初から隣にいたんだから

それは 予定されていないことだったけど

リューズ

リューズ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-02-12

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