空の青

空が青かったんだけど、
途中で黒く混じり始めて、
混ざって混ざって黒の方が少し多くって、
だから色は黒色になって。
「ごめんね。」ってただそれだけ言って欲しかったんだけど、
それは一度も聞けなくて。
捻れて捻れて段々と元に戻れなくなって、
染まった色の戻し方は分からなくって、
本当は少しだけ混ざっただけだったのに。
黒くて黒くて、
終わりが無い世界みたいに、
先はずっと真っ暗みたいに、
後ろの私はもう取り返せなくて、
前しか進めないのに前には暗闇しかなくって。
あぁだけど新しい君が、
少しづつ色を運んできてくれたんだ。
青い色、前と同じで少し違う青い色。
少しづつだけど色が変わっていくんだ。

空の青

空の青

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-01-19

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