やがて灰になる僕らは

どうせ死んでしまうというのに

一人残らず、いつかは死んでしまうというのに

いつかに抗おうとでもいうように 僕らは何かを残したがる

それだって いつかは消えてしまうというのに

いつかに抗おうとでもいうように 僕らは誰かを愛したがる

永遠や絶対を信じようとする そんなものは存在しないんだと

誰よりも理解しているのは自分なのに、それなのに、

それなのにさあ、どうして僕はこんな意味のないことをしている時しか

自分を感じることができないんだ、誰かを感じることができないんだ

神様、僕はあなたのことがずっと嫌いでした

僕らに かたちに残らないものまで、

かたちが見えないものまで愛する権利を与えた

あなたのことがずっと嫌いでした。

いくらあなたをこうして訴え傷つけようとしても

あなたには傷ひとつ付けられない

自分のことも 誰かのことも感じたくない 傷つけたくなかったのに

僕は皮肉にも

自分が一番憎んでいたものに救われてしまっている

忌み嫌っていた感情というものを

後生大事に抱えようとしている

これが僕の答えなんだと解ったんです、だからこれだけは覚えていてください

たとえこの身が朽ち果てようとも、

たとえあなたに嗤われようとも、

僕らが僕らだけの真実を愛し貫いたことだけは

いつまでも残り続けるということを。

やがて灰になる僕らは

やがて灰になる僕らは

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-31

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