とおくへいってしまうわたしの

わたしはあまりにからっぽだった
からっぽだった 祈るものなど
なにもないほど
けれどもさみしくはなかった
さみしくなんかなかった
十月の夕ぐれに けっしてつよくはない
やさしく けなげな
ほんとうのうたを
彼岸花からとびたつ ちょうよりもそっと
祈ろう

とおくへいってしまうわたしの

とおくへいってしまうわたしの

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-20

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