隙間風

私にいつの間にか出来た
隙間から
風が吹き込んだ
私は風になった

不安が私を襲った
私は不安になった

恐れが私を支配した
私は恐れになった

孤独が私を打ちのめした
私は孤独に
孤独そのものになった

そうして
隙間を探して
漂うものとなった

見つけた隙のある
誰か 彼かに
隙間風として入り込み
私はずうっと
住みついた

そのものが
呻いても
私は去らずに
眺めてた

隙間風

隙間風

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-10

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