バンク・バンクラプト

利子付きの愛には際限が無いから嫌いだ

この得体の知れない流れにされるがままになっていれば

惜しくもない積み木崩しのように

遅かれ早かれ瓦解してしまうだろうから

出来る事ならば僕は

たった一つの言葉以外何も発したくはないのだ

そうだな、意味の伴わない言葉なら何だっていい

僕は意味の無い事しかしたくないから

あるいは、意味の無い事をしていると見なされれば

それ以外何も望まないから

僕を取り巻くすべてが、

白紙という一つの墓場に収束して初めて

僕は僕という呪縛から解放されて、

逐一理由なんて後付けしなくても、

刹那の一枚一枚を

心から愛する事が出来るだろうから

この偏執病も薄らいで、

いずれ空気と同化していくだろうから

くすんだ色の花に見惚れる事も、

灰色の空の彼方を想像する事も、

悴んだ手脚を引き摺って歩く事も、

現実が軋む音に耳を澄ます事も出来るだろうから

それまで残酷としか思えなかった白が、やさしい色のように思えた

一つだけ記憶を墓場に持っていけるとしたら

僕は自分以外の名前を連れていきたい

バンク・バンクラプト

バンク・バンクラプト

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-04

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