あたたかなコーヒーについて

あたたかなコーヒーについて

知らないうちに知らないことが知らないところでおきていて、それ自体はべつになんともないんだけど、行為者が誰なのかによっては憤慨するかもしれない、それくらいのわがままなら許しなさい。小説、短編みたいな終わり方。眠いって感覚、もう一度はだかで
ここにこい。
見えねえものは
消えねえよ。
無知蒙昧と
冬キリギリス。
越冬の準備はできましたか。あなたの街には雪なんて降らないでしょうけど。さむいだけで、案外何も変わらないのかも。都市が呼吸するから、今朝も何もかもがひんやりしていた。ぼく自身の感覚を再確認するためだけにあたたかなコーヒーを淹れてみたけど、南米では今が夏。ぐしゅっ、と前髪をひっつかんだ。コーヒーの後味がすっと消えていく。さむい季節になったから、この感情さえも白い。ぼくは確かにここにいる。無知蒙昧と 冬キリギリス。そういう感覚で。

あたたかなコーヒーについて

あたたかなコーヒーについて

小説、短編みたいな終わり方。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-29

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