その足跡が消えないうちに

心の奥底で

ひしゃげた紙には何も書かれていない。白紙。

答えなんか最初から用意されていないことを象徴する、白紙。

時にはわたしを慰め、時にはわたしを傷つけ苦しめる、白紙。

笑えない日々を笑い飛ばせる日は

わたしのことを待っていますか

きっと気づいていないだけで

わたしがもう、追い越してるんだろうな。

あしたの予定はあした立てよう

いまはきょうを 生き切ることだけ考えよう

たぶんあしたも きょうと同じになるかもしれないけれど

白紙の地図を片手にわたしは

明滅する標識をたよりに どこまでも進んでいこう

どこまでも愚かになってしまおう

でも、誰かがわたしのことを追いかけてきたら、そんな物好きがいたら

わすれていたことを思い出したような、それこそ愚かな顔をして、立ち止まらずに振り返って、そっと微笑んであげよう。

その足跡が消えないうちに

その足跡が消えないうちに

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-02

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