きっと

きみを欺く人間を殺したいよ

きみを嘲る人間を殺したいよ

きみに群がる人間を殺したいよ

でもそれが 他でもないきみ自身だったら

僕はきみを 殺せる覚悟があるだろうか

僕は僕を 殺せる覚悟があるだろうか

等しく痛み分けする覚悟が

あるいは、きみに殺される覚悟が 僕にあるだろうか

ひとりで泣いているきみの姿が目に浮かぶ

馬鹿だなあ、あるに決まってるんだよ。

今から僕は、きみを殺しにいく

きみも多分、僕を殺しに来るだろう

殺しにいくけれど、僕たちは決して死にはしない

僕はただひとつ、

きみにどんな罵声を浴びせられても、決して引き下がらず、目を背けず、逃げ出さず、そして僕自身を欺かず、味方だと叫びつづける覚悟だけが出来ている。

きっと

きっと

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-01

Copyrighted
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