十三夜

《十三夜》

古稀を過ぎれば言うことも僅か 公憤も流転の果てにやがては醒める
まして、時雨の風だ
唇が寒い

「状況は…」ふと、落とした語彙に息を呑んだ

被災地にようよう戻った女が、稲穂と栗を供えて一人酒
そんな便りがあったから

もう少しばかりは生かされてみようか

十三夜

十三夜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-30

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted