架橋崩落

一瞬の景色を いつまでも憶えていたい

今にも消え入りそうな

脆く儚いものたちに 囲まれつづけていたい

空を見上げれば

優しい雨がふりそそぎ

優しい雪がふりつもり

優しい陽射しが差し込んでいる

洗われる世界を前に私は

死を目前にして私は

漸く 自分を認めることが出来るだろう

世界に認められないのなら

私が世界になってしまえばいい

此岸と彼岸を繋ぐ橋は

今朝、私の手で崩落させた

架橋崩落

架橋崩落

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-28

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