カルメ焼きについて

カルメ焼きについて

地球上のどこかから飛んでくる凶弾から身を守るために、水曜日はボウクウゴウをつくる日だ、ゲーム世界にありがちなでかいハンマーで先生の右足だけつぶしにかかる。そういうことの連続で、ぼくは水道代が払えないことをごまかしていた。
大人の世界と、子どものリアル。弱者っていう怠慢はやがて六畳間に変わり、ぼくにモンハンを教えた。くやしい! っていうはげしさに比例する黒も黄色も久しく見ていない。でも、感受性は消えなかったみたいで、相変わらず寝相は悪いし、心臓と同じ体積の無関心は持てている。指先の血をなめれば命の循環はぼくの体内で完結してしまう。これぞまさに腐れ外道。
自由になったぼくは、その自由で自分をごまかすことしかできなかった。
不寛容なほど寛容になって、結局逃げているのかどうかもわからなくて、100均のシールをジャージの背中に貼りつける。きっと、中途半端に甘いだけで、すべて穴まみれなんだ。生きている、よ。今この場をかりて生存報告させていただきます。明日のこと? 知るわけないでしょ。

カルメ焼きについて

カルメ焼きについて

指先の血をなめれば命の循環はぼくの体内で完結してしまう。これぞまさに腐れ外道。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-19

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