背負いこみのすすめ

背負いこみのすすめ

山があって、でも高速を走る車の窓からしか見たことなくて、スギが生えていて、そのうち何本かは倒れかけていて、地球が、正々堂々生きることから逃げたんだなと思う。スギにはスギの感情があるのでしょうか? あってもなくても、それは大して重要じゃない。
未来は24時間ずっときみに期待をしていたはずだよ。期待しないと気が済まないみたいに、期待していたよ。
いつかどこかであきらめたんじゃなくて、生まれたときからあきらめていた、だったらよかったのにね。いつかどこかでを探すのに必死なハタチと、いつかどこかで聞いた話にあくびをかみしめるぼくの間にあるもの。なかよくしてね。やまあらしとはりねずみの違い。スマホのPINコードを誕生日にしているやつらの感情がどこにあるのかわからない。きっと空の青い部分だろうけど。
むなしいんですってことは、あくまで主観的で、それでも重力にはさからわないよね。教科書の端っこはこんなにもきれいに裁断されていて、ぼくらは、どこまでも理不尽のままでいるよ。転校生のことを忘れたころに、また新しい朝が来る。切っても切ってもこの惑星には希望しか見えてこない。

背負いこみのすすめ

背負いこみのすすめ

希望。希望希望希望希望希望。希望に満ちたお話です。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-11

Copyrighted
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