海に叙情詩

(...ら...から...出して...ここから...
出して...早く、早く...)

失語症の神様...交叉する流星...全盲の検閲官...点滅する螺旋階段...漂着する無人船...銀河鉄道の警笛・・・硝子の銀杏並木、吹雪...

(ねえ...聞いてる...?わたしね、これから永遠になるの...)

ーー寝台の上には桔梗が咲き乱れていた。

(無機質な詩人の声が聞こえる...これからね、あの...あの中に閉じ込められるみたい)

白磁のペンダントが左手に、慈しむように握られているーー。

彼女は透明な海に身を抛った、そして神様と永遠の姉妹になった...。

海に叙情詩

海に叙情詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-08

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