実らない木の祝い

章子

ミノラナイキ

実りの 秋なのに
実る事を なくしてしまった

養分を得て
与えてもらって
伸びてきたのに
ミノル事を忘れた

日差しが美しく届く
でも、実らない木

たくさんの事をしてきたような気がするけれど
実りに繋がらなかった

何もないようで
どこかに
何かの意味があると信じたい 
長い時

私は枯れてもいないのに
立ち続ける
実らない木

どこかに価値があると信じたい

忘れないで欲しい

それなりに必死に伸びてきた事を

実らない木

葉を色づかせて
笑うように
揺れる

カサカサと
私の葉はうごめく

ミノル事を忘れた木

ひとりぼっちの
実らない今日

明日は
さざめく葉を衣装にして
踊り出すかもしれない

実らないなりの祭りをして
実らない祝いをする

祭りのように
騒いでみせる

実りのない祝いの祭り

実らない木の祝い

実らない木の祝い

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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