棘の詩

はだかになって、やわらかい、と、しった。
(きみは、怪物に、にていた。)

きれいになるために、とり除かれたもので、できている、ひとたちがいる。洗礼されている。堕ちてしまった、天使ほどのかがやきに照らされて、しかし、たまに光るくらいで、あとは、なにごともないように、死んでいた。いたかった。きみもぼくも、そういうひとではなかったから、にくしみが、ひとつあることは、とうぜんだとおもっていた。
(しかし、きっとここは、もうひとつの、天国なのだ。)
きれいなものが、生きている。そして、死んでいるものたちのとなりで、死んでいく。きみもぼくも、ひとびとも、怪物なんて、おそろしい。だれもがおそろしい。いたいほどのものなんて、いらない。ほんとうは、いらない。

みんな、肌を、みせてよ。

棘の詩

棘の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-28

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