【連載】シルバーエイジの物語 025

万田 竜人(まんだ りゅうじん)

025 天から舞い降りて来たご褒美

まったく・思いがけない・ご褒美には・正直・驚いた

2月1日(火)  晴れ  IH調理器の実習体験

川越の 「スイッチ・ステーション」 に着いたのは午前10時であった。開館時間
にはスタッフ3名の方々に歓迎の挨拶をいただいての入場となった。電力会社が
「IH調理器などのオール電化製品」 普及のために設けたショールームが この
サービス・ステーションであり、プレゼンテーション・ルームを兼ねている。

実際に 「IH調理器」などを使って調理をやってみせ受講生には実習の場を提供
している。我が家でもオール電化が実現して・・・

その便利さは 「エコキュート機器類の使いやすさ」を体験することで、日々、実感
として伝わってきている。同時に、夜間電力を活用した自動パン焼き機の便利さと
焼き上がりの香ばしさや美味しさも体験しつつある。

料理があまり得意ではない、私も、IH調理器の便利さが分かって、多少なりとも技
を習得すれば、これからの 「台所のデジタル化の波」 に乗れるかなと考えた。
(現実的には、いまだに・デジタル化の波に乗り切れていない)

また、知的な好奇心からも、IH調理器について電磁調理器の構造や働きについて
知りたくなり、電力会社のブースに出掛けてみたのである。
(この構造的な理解については大いに役立っている)

実際、ブースではIH調理器の内部構造をスケルトン調の現物で見ることが出来た。

調理実習では、実際に・・・

「鳥のから揚げを作る」
「シャケの切れ目を焼く」
「チャーハンを炒める」
「デザートを作る」 などの実習があった。

その調理の過程で電磁調理器のシステムについても分かりやすい説明があった。

「IHでは、調理器プレートは加熱されず、鍋が過熱されるが鍋からの熱伝導により
プレートも熱くなる」 と教わり、かつて隣家で安全性について説明をしていただい
たことを思い出した。


2月7日(月) 晴れ  新築祝いに蘭の花

暖かな陽気のため、厚手のセーターを着込んで車に乗ると、汗ばむほどである。

スーパーで買物を済ませて午前11時頃に自宅に戻ると、群馬県から妹夫婦が近く
の眼科医院の駐車場に、到着した旨の電話がかかってきた。

入間が丘の東町に引っ越してきてから、間もないため、我が家は、まだナビで案内
していないので近所の眼科医院を目印にして来ていただき私が駐車場まで出迎え
に行くことにしていたのである。

新築のお祝いに 「蘭の花」をもってきてくれた。東の方向に置くと良いというので、
日当りの良い場所を選んでいると・・・

「本物の花ではないので日当たりは不要だという」
今風に、光合成の仕掛けが施してあるとの説明があり本物の花とまったく瓜二つ
なので驚いた。

「部屋の中に早くも春が来た」 という印象で大ぶりの黄色い蘭だけに見事である。

黄色の花は、東方に置くと蓄財の効用があるという。他にも、大葱や大根、群馬の
銘菓 「旅がらす」や珍しい最中などたくさんのお土産をいただいて恐縮である。

飼い犬も、最初は吠えていたが、すぐに懐いて妹の旦那の顔をなめまわしている
ので驚いた。家内も海老や野菜などの天ぷらを揚げ、昨夜から準備したイカ飯や
お寿司などを振る舞って・・・

「久々な出会いに積もる話も満載」 で、楽しく、大いにお互いの親睦を深めること
が出来た。


2月8日(火) 晴れ  大型物置の設置

朝の天気予報では夜になって雪または雨の警告が出されていたため我が家に大型
物置の設置に来ていた職人さんも午前9時には作業を始めて、午前10時半頃には
設置完了というスピードぶりで作業を仕上げた。

本日の作業は、入間・青梅・八王子と終日で3軒分を請け負っており雪が降った場合、
自宅の坂戸までは、車では帰れないことになると心配しながら出したお茶も大急ぎで
呑んで、早々に引き揚げる様子であったので・・・

「よかったら、お茶菓子は持って行って下さい」 と、家内が、声をかけると、
「大好物なのでいただいて行きます」といって、早々に車を飛ばして行った。

古い中型物置を置いておく場所がないので、市役所のクリーンセンターに、携帯から
電話をすると・・・

「明日の午後でしたら引き取れます」
「物置の中身は、明日午後1時までには空にしておいて下さい」
「寸法的には分解しなくて大丈夫です」

というので助かったと思いながら、私と家内とで中身を大型物置の中に移し変えた。

そして外に出しっ放しにしてあり、不用心と思っていた長尺ものの梯子も大型物置
に収納してチェーンタイプの鍵でロックした。

家の周りもすっかり片付き 「これですっきりしたわ」 と、家内も喜んでいた。

「後は、大型物置の設置について、事前に隣家に了解をいただいた際に南天の植え
替えを家内と約束していたので明日の午後にでも作業しよう」 と決めて、その日の
作業は、これをもって終了とした。


2月9日(水) 小雪(後)晴れ  坪庭の整理が完了

驚きの新発見である・・・

妹が新築祝いにもってきてくれた 「光合成」のコーティングを施した黄色い蘭の花
の効果で 「涙目がちなアレルギー症状」 が治ってしまったのである。

もちろん妹には、お礼の電話を入れた。

そんなこともあり、本日の作業予定としていた植木類への鶏糞やりを気持良く済ま
せた後で、保水用のレンガの粉砕片を植木などの根元に撒いてたっぷりと水撒き
をした。

やがて、市役所からクリーンセンターの車が到着。運転席から、笑顔で降りて来た
お二人は旧住所において大型粗大ゴミの廃棄処分などで随分お世話になった方々
であった。

相変わらずの笑顔の対応で、搬出しにくい場所に置いてある中型物置を中庭から
外へ二人がかりで運び出してくれた。

これにより玄関脇の坪庭兼物置の場所を整理するための条件が整い、早速、敷石
の配列に取り掛かかった。この敷石により大型物置の使い勝手が俄然良くなった。

また自転車3台の配列も整理・整頓されて物置と坪庭とのエリア区分も整然とした。
後は、春先に草花や、植木の下草などを植えて水遣り道具などを整えながら、夏の
暑さ対策をして行けば、東町での暮ら方については大方の目鼻がつくことになる。


2月10日(木) 晴れ  ジェットエンジンを想い出す場所

狭山市祇園のテニスクラブに行く途中で、入間航空基地の脇を通り抜けて行く。
入間が丘の東町に越してからは、必ずといっても良いほどに、このコースを通る
ようになった。

道路沿いにはリタイアした航空機が展示してあり、ジェットエンジンの設計や製造
に、長年携わってきた人間としては 「引き寄せられる魅力のある風景」でもあり、
自ずと、テニス・スクールに行くときには、この道を通ることになる。

先日は、企業人としては大先輩の方が、航空関係の仕事に50年間たずさわった
記念にと書籍を出版された。

ご自分で手掛けた50年間のエンジンの歴史にご自分の半生を重ね合わせて記事
にされたものであるが、月刊の連載記事を連ねて再編集されたものだけに濃密な
内容になっている。

同じ時代を過ごしてきた私たちには、大いに共感・共鳴するものがある。

かつて、私が30歳代の時に、同行させていただき、米国・欧州の航空機やジェット
エンジンの製造会社やエアラインを 「管理工学(IE)」という面から調査させていた
だいたことがある。

約一か月間の駆け足での実情調査ではあったが得るものは多かった。

その影響もあり書籍に示された記事の内容について身近に感じたのかもしれない。
私が航空機用のジェットエンジン関係の仕事一筋に、定年満期まで現役を過ごす
ことが出来たのも大先輩のお蔭であり 「感謝・多謝」 である。


2月11日(金) 雪    懐かしい風景

今月の3連休の出足は雪の舞う天候でスタートした。
(連休中は雪や雨の予報である)。

それならばと理髪店まで歩いて出掛けた。旧住所のときには歩いて約5分で行けた
理髪店であったが東町の我が家からは歩いて約20分かかる。雪で滑っては危ない
と考えて長靴を履いて出掛けたところ、結果、雪の上でも足元がしっかりと固まって
具合が良かった。

帰り道は回り道をして 「昔、住んでいたところに、変化はありや?」 という思いで
寄り道をしてみたが、特に変化はなく、まだ、旧住居には人々が住んでいる気配は
なかった(たしか・引っ越しは・春先と聞いていた記憶がある)。

「北側のお隣のご夫妻は相変わらず、3連休には、伊豆の別荘にお出掛けの状況
らしく車庫には車がなかった」 懐かしい風景である。


2月12日(土)  雪(後)曇り  サイボクハムから贈り物

新築祝いにいただいたものの中で、特に嬉しかった優れものとしては・・・

「鎌倉の家族からの自動パン製造機」 および 「群馬県の妹夫婦からいただいた
光合成のコーティング処理を施した黄色の蘭の花」 を挙げることができる。

「朝起きたときにパンが出来ている」しかもパンの香ばしさが部屋中に漂う生活感
は嬉しい。この喜びは、私だけが感動するものではなく、家内共々朝食の大いなる
楽しみとして共に味わえるところがとても気に入った。

群馬の妹夫婦からいただいた黄色い蘭の花による光合成の効果で・・・

私の目のアレルギーが治った。群馬と鎌倉からの二つの喜びを感謝に変えるため
に私と家内は一緒にサイボクハムに出掛けた。

久々のサイボクハムの店内での買物であったが、特に変わった様子もなく、雪模様
の天候の中でも相変わらず店内は大繁盛であった。

店内では美味しいハムやソーセージの試食が好評で、集客の秘密はこんなところに
もあるようである。家内の選択眼で、両家にサイボクハムの詰め合わせキットを贈る
ことにした。

ひばりヶ丘の息子家族は新築祝いに現金をもってきたので、それを元手にして現金
を加え、孫のお雛さま代として、後日、お雛様の鑑賞会を兼ねて、家内が届けに行く
ことにした。


2月13日(日) 晴れ  大型物置の周囲の整備

久々の晴れ間となり散歩の催促が盛んな飼い犬のためにと午前10時頃から彩の森
入間公園に出掛けた。いつも通り、私と家内と二人だけで外周をウォーキングする。
次に飼い犬を連れて芝生めぐりをする。午後は飯能のKホームズに出掛けて大好き
な河川敷を歩かせたが、珍しく早々に帰りたがるので車に乗り込むことにした。

Kホームズでは、大型物置の設置完了に伴い、残金の支払を済ませるために支払い
の期限内に店を訪れたもので、今日はその帰り道に河川敷に寄ってみたという経緯
である。大型物置の設置については、的確な場所がなかなか絞り切れずに苦労した
ものの結果的には、最適の場所を選択できたと考えている。

先日の雪の日に、物置周辺の様子を見てみたが、あの雪降りのなかでも雪が積もる
こともなく、母屋のひさしが大型物置の前側を上手く覆っているようである。また大型
物置の前側に敷石や玉砂利を敷き詰めて整備したため出入りもだいぶ楽になった。


2月15日(火) 晴れ  純国産ジェットとの再会

夜半からの雪が降り積もって外は銀世界である。

所沢税務署に届ける書類があったので今日は早目に出掛けた。所沢の登記所に寄り
土地と建物の登記簿謄本を入手する必要もあったので、先に、登記簿謄本の用件を
済ませてから税務署に寄った。

税務署に・必要な書類を届けて外に出ると目の前に 「所沢航空発祥記念館」の案内
看板が目に入った。かねてから興味はあったものの場所が分からずにいたという事情
もあり、即 「入場する」 ことにした。

入り口に立つと 「入場料65歳以上無料」 とある。受付カウンターで、年齢証明の
免許書を提示すると 「展示会場と映画がありますが、どちらをご覧になりますか?」
と聞いてきたので 「両方とも見たいです」 と云うと 「映画については20分後には
で入場できます」という案内であったので先に 「展示会場」を見て廻ることにした。

驚くことに、場内には・・・

「私が設計部門に居た時に馴染みのある純国産ジェットエンジンの20007号機が
展示されていた」

これには、さすがに驚いた・・・

まるで、我が子に久々に出会ったような気持ちになって、半ば興奮しながらエンジン
の周りを撫でるようにして見て回ったことは云うまでもない。

一方、映画は 「縦15m・横20mの大きなスクリーンで上映」 さながら・自分が
ヘリコプターに乗り込んで操縦しているような光景が目の前で展開されて行く。

タイトルは 「ギリシャ」として紹介されていた。噴火によって埋没した島を考古学的
に探検して行くという物語である。美しい映像と共に興味深いストーリー展開の中で
「質問と回答を繰り返し交わすことによって、発想を発展させていった」 と云う・・・

「ソクラテスの方法論の説明」 が、興味深かった。

本日 「2月15日」 は私にとって忘れることの出来ない 「航空記念日」 となった
印象がある。

人生には思いがけない・・・

「ご褒美が天から舞い降りてくることがある」 ことを実体験した。

(続 く)

【連載】シルバーエイジの物語 025

【連載】シルバーエイジの物語 025

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-09-17

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