対岸の君

君がいない世界なんて、慈しむに値しない。

君がいない人生なんて、生きるに値しない。

君を忘れた僕なんて、幸せなんかになれやしない。

君を絶対に忘れないなんて宣言しても、

視界に君の姿はないし、

だから聞こえているはずはないし、

帰ってくるはずもないんだけれどさ。

僕は君に出逢えて

心の底からよかったということを、

捨て台詞のように零す最期を遂げて、

それを君が向こう岸で

偶然拾ってくれたらいいなと、

いや、

向こう岸まで泳いで渡って、

君をみつけて、

直接告白しようと思う。

対岸の君

対岸の君

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-07

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