散骨街

あれは何を照らしているんだ?
(闇がなければ光の存在意義はない?
(光がなければ闇は発達しつづける?
(闇を凌駕した光は跋扈しつづける?
潤色された詞を呑んでも心臓は渇いたままだ!
血が巡らないままだ...俺の激情は何処へ消えた?
(何にも追従せず慟哭していた頃の俺にはもう戻れないのか?
〈...穿て、虚妄のなぐさめを......〉
〈...護れ、なけなしの殺意を......〉
〈...放て、心根からの実弾を......〉
(誰にも此処を占拠させるな...支配されるな、のさばらせるな!)
何が俺を裁いてくれる? (善が堕落しない為には...侵されない為には?
あの街にはもう帰れない!俺の寄る辺は失われた...(俺の正義を穢したのは俺だった、俺の敵は他でもない、俺自身だった!
此処で生きる為には、一から街を創り直すしかない...
日が昇る。散骨の時間だ。

散骨街

散骨街

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-04

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