38℃の夢

蝉の声に責め立てられている
痛いくらいの陽射しに焼かれても
僕は死ねない 死ねないんだよ

君の姿が遠くで揺らめいていて
もう会えないってわかった
そんなこと知ってけど

空が青すぎるから逃げたい
自分の醜さが浮き彫りになるから
冷えた部屋の中に隠れている

僕を殺してくれ
アスファルトの上では生きていけないから
茹だった頭ではもう正しく愛を唱えられない

38℃の夢

38℃の夢

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-11

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