無秩序の異星間純愛

あなたの生き様に魅せられて
あなたのようになりたいと思いました
それは歌や映画や小説の
ワンシーンを、瞬間を切り取る行為のようで
その連続であるあなたになることは
できないのだけれど
あなたの断片をかき集めて
一度だけ、たった一度だけでいいから
あなたの一瞬を感じたいと、そう思ったのです
然しそれには、寧ろわたしのままでいた方が好いのです
そこにわたしが、ひとかけらも存在していないと
あなたを感じることはおろか、
あなたを眺めることも、できないのですから
あなたになることも
生まれ変わることも叶わないのは
痛い程に、判っています
今ではそれで、それで構わないのです
重なる所も無論、大事だけれど
重ならない所こそ、
それ以上に大事にしたいものです
愛とは、それを踏み躙らず
抱き締めることなのだと
いつかのあなたがそう、
わたしに語りかけてくれたように
あなたと同じ時間を生きていること、
わたしはそれを
いつまでも、いつまでもわすれることなく
誇りに想いつづけるでしょう
たとえ今日、世界に宇宙に、銀河の秩序が
跡形もなく、ばらばらに崩れ果てたとしても

無秩序の異星間純愛

無秩序の異星間純愛

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted