永遠の火

何の目的も 目的地もなく
ただ遠くに、もっと遠くに
自分の脚で、自分の脚だけで
わたしの両手も両脚も、そして両眼も両耳も
ただひとつの景色を捕らえるためだけにある
わたしにしか観ることができないその画に
わたしの名前をあげようとおもう
その信条を護り、全うすることがわたしの使命で
その存在証明を穢さず、受け入れてくれることと
その人の存在がわたしのよろこびで、また
わたしにとっての存在理由だから
如何なる絶望も薪にして焚べ 暗い炎をしずかに燃やす
涙一滴で収まる炎なら
その程度の絶望だったとまた
わたしのかたちをした亡霊に 嗤われてしまうから
そいつらが諦めて口を閉ざすまで
わたしはきょうもわたしを捜しに 無心にひたすら走りつづける

永遠の火

永遠の火

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-16

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