夕景

似非ポエム

その時、空は茜色に染まっていた。

並び聳える梢の上、光る何かが視界の端を掠める。
白鷺だった。
見上げる双翼は背に夕陽を受け、金の縁取りを纏って紅色に輝いている。
一つ、二つ、三つ。
東から西へと横切り。
四つ、五つ、六つと。
連れ立って何処かへ向かう。

小川の傍では、合流が始まっていた。
高く低く飛び交い、次第に流れるように輪を描く。
十、二十、三十。
轟々と音さえ立て。
四十、五十、六十と。
風を切り風を孕み風を生みながら、視界を埋め尽くす。

そして田園から、大群が舞い立った。
二百を超えるであろう鳥雲と化した白鷺達は、ゆるりと上空を占領し。
その姿態を白に金に紅に光らせながら、何かを確かめるかのように辺りを巡り。
最後に一際大きく旋回すると、塒へと帰って行った。

幻想にも似た、秋の夕暮れだった。

夕景

(初出・2014/09/06、改題・2020/07/07 「1612」より)


一桁の群れと二桁の群れと三桁の群れは、それぞれ別の場所ではありますが、全て実際に見た光景です。
特に、二桁のは触れそうなくらい近くて、この世のものとは思えないってこういう事を言うんだなと思いました。

夕景

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-07

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