ふりしきる鮮血

直情、激情、昂進、衝動...
深緋の双眸を妖しく耀かせている
俺の(うち)には何時からか
そんな魂が棲んでいる...
微かな音こそ逃すまい、と
白昼の雑踏に繰り出す時もあれば
暮れの(かわら)でせせらぎを待つ時もある
その魂に憑依された俺は
この際限なくつづく音の洪水から
俺にしか掬いあげる事が出来ない微かな音を
第六感、第七感...と拓かれる感覚を従え
今日も又、捜し歩いている...
ふりしきる鮮血の中で俺は
俺が俺である為の唯一の方法を捜している...
嗚呼、眼裏(まなうら)に秘めた数多の過ちよ
それさえ俺の骨になる...

ふりしきる鮮血

ふりしきる鮮血

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-05

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