日記 七月五日

もし この世界が わたしに終わりを描いてくれないのだとしたら わたしはどうやって眠りにつけばいいのでしょうか きょう わたしの祈りはどこをさまよっているのでしょうか よろこびをすくいあげられなかったのは かなしみばかりを集めていたからでしょうか かなしみばかりを探して こころのなかを走り回っていたから こんなにも息がきれてしまうのでしょうか もしおくすりで変われるのなら それは救いですか それとも変わらないのならば 救いなのですか 祈りつづけることができないのなら この現実で わたしは救いをなんと呼べばいいのでしょうか だれもわたしを救うことはできないのに わたしはひとり このノートに書きつづけています でも書けば書くほど 助けを求める目が見えなくなってゆくことも わたしは知っています もうほとんどなにも見えません なにも見えなくなって ただ終わりを待つのです もしこの世界がわたしに終わりを描いてくれないのだとしたら わたしはどうやって眠りにつけばいいのでしょうか

日記 七月五日

日記 七月五日

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-05

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