レッドくんが髪を染める話
ずっと黒色だった髪を茶色に染めて、一番最初に驚いていたのはグリーンだった。
「レッド、お前どうしたんだよその髪!?」
グリーンが目を丸くして僕の髪を指差した。
「んー、ちょっと、気分転換したくて」
髪を茶色に染めたのには深い理由はなかった。ただ少し、自分を変えてみたかっただけで。
グリーンは暫く僕の髪を見つめていたけれど、ふーん。と呟いて、ニッと笑った。
「いいんじゃねーか? ビックリしたけど、その色、中々イカしてるぜ」
グリーンに褒められて、思わずにやついてしまった。
「まさかお前がイメチェンするとは思わなかったぜ。オレもイメチェンしてみよっかなー?」
自分の髪を触るグリーンに僕は提案する。
「ストレートにしてみたら?」
「……それはヤダ」
新しい帽子を被り、新しいリュックを背負った僕は、マサラタウンの自宅から出て、マサラタウンから旅立った。
見た目を変えた僕は、パートナーであるピカチュウと共に、もう一度カントー地方を旅することにしたのだ。
ジムリーダーの皆や、四天王の皆は、イメチェンした僕を見たら何て反応をするかな?
それがとても楽しみだった。
ふふ、と笑って、1番道路に足を踏み出した。
新しい冒険が、今また始まる。
レッドくんが髪を染める話